星に願いを・・・
壮大な宇宙にテーマを絞った随筆(エッセイ)集です

 
星に願いを・・・Part23(ハレー彗星 その1) 2004/04/11
  約76年に一度やって来るハレー彗星。前回の地球接近は1986年のことでした。今から18年前のこ と。「英チャールズ皇太子とダイアナ元妃」が来日した年でもあります。物心のつく年も考慮して、現 22才〜25才以上の方ならば当時の「ハレー彗星」ブームを思い出すことでしょう。
 76年といえば、人の一生に等しい期間です。つまり、大部分の人によっては、ハレー彗星との出逢 いは一生に一度の記念となってしまいます。見逃せば最期、天国では、「ハレー彗星を見た」という 話題に着いていけなくなります。ミーハーな私も当時のブームに乗せられて、反射望遠鏡を大金はた いて購入したものです。ただ、非常に残念なことに、もしくは運が悪いと言うべきか、1986年の接近時 の「ハレー彗星」は、大接近時に太陽の裏側に隠れてしまい、長い尾がたなびく姿を肉眼で観測する ことは出来ませんでした。私自身では、中接近の頃にかろうじて肉眼で確認するのがやっとでした。 この機会を逃して、見損なった方々も多いことと思われます。
 さて、前々回の接近は1910年(明治43年)でした。この回帰は、前回(1986年)の接近時に比べはる かに良い条件で見ることができ、当時の記録によると尾の長さは120度にも及び、大変立派な尾をた なびかせていたという観測記録もあります。この時日本では、ハレー彗星が大接近した際、地球上 の空気が一時的に無くなると言う噂が広まり、市民の間に動揺が広がったそうです。裕福な者は、自 転車のチューブを買い込み、チューブ内の空気を吸うことにより、一時的な酸素枯渇の危機に備え ようとしました。だが、実際には空気が無くなるということは起こっていません。 (その2に続く)



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