星に願いを・・・
壮大な宇宙にテーマを絞った随筆(エッセイ)集です
星に願いを・・・Part22(太陽) 2004/04/04
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「星に願いを・・・」というタイトルからして、今ひとつ「星」としてのイメージがピンとこない太陽である
が、いうまでもなく空に見える最も目立つ天体です。自らが燃えて輝く「恒星」としての太陽は、他の恒
星たちと比べてみて、どのような存在なのだろうか。
我々の距離からでは見つめることができないほど輝かしい太陽も、仮に隣のケンタウル座のアル
ファ星のところへ持っていけば、それと同じくらいの明るさの星になってしまいます。また仮に織姫星
(こと座のベガ)の隣に持っていったとしたら、4等級のごく目立たない星になってしまいます。更に、
もう2倍も遠かったら、肉眼ではもはや認められなくなってしまうのです。太陽系を代表する恒星の太
陽が、このようにごく平凡な恒星であったということは、我々にとってはしあわせでした。それは、大き
すぎたり、小さすぎたりしないために、適度な熱や光を地球に与え、我々の存在を可能にしてくれた
ことに他なりません。
さて、太陽は 75% が水素で25%がヘリウムのガスからできています。内部では、水素がもの凄い原
子力の反応を次々に起こし、その時に出る熱と光が太陽をあんなに明るく輝かせています。つまり、
太陽は自然が創り出した巨大な「原子炉」というわけです。ところで、地球が受ける太陽エネルギー
は、太陽が四方八方の空間に放つ全エネルギーの20億分の1に過ぎません。
太陽系最大の木星も水素とヘリウムを主成分とするガス星です。点火されない理由は質量不足。
核融合反応に必要な中心部の圧力が足りません。木星が、あともう少し大きければ、にぶく赤い光
を放つ(恒星は高温なものほど青く、低温は赤く輝きます。それらの中間は太陽のように黄色く輝き
ます)太陽系第2の太陽として輝くことになったでしょう。
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