星に願いを・・・
壮大な宇宙にテーマを絞った随筆(エッセイ)集です

 
星に願いを・・・Part20(火星) 2004/03/21


 我々地球人にとって、他の惑星よりも特に興味をひく天体が火星ではないだろうか。知的生物の存 在が多いに考えらると人類は思っていたからだ。幻想の中の火星人。
 その存在が無いことを人類が最終的に確認したのは1976年のこと。バイキング1・2号が火星地表 に軟着陸した瞬間だった。その時、火星から約3億キロも離れた地球では、人々がテレビの前に釘 付けになっていた。
 火星を望遠鏡でのぞいた初めての人物はガリレオである。その後、セッチという人が火星表面に 溝のような筋を発見する。やがて、この溝が知的生物の創造した運河ではないかという説が登場す る。
 ウェルズの有名なSF小説「世界戦争」では、今や滅亡の危機に瀕した火星から逃れてきた火星人 が、地球を侵略する話が展開された。
 更に1938年に放送された「ラジオ劇」で、
「火星人が地球を侵略中、今やニュージャージーが荒らされている」
と、いう報告を本物と勘違いした人々がパニックを起こしている。
 1976年のバイキング着陸船は人類にとって、地球外生物の存在を否定する結論をもたらしました。 テレビに写し出された映像写真は、鉄錆のような色をした岩石が、何億年も前からじっとそこにいる かのような、そんな静寂の世界でした。大気は薄く、極寒、乾燥の地でのもっぱらの興味は、「かつて 火星には水や生物が存在したのか?」といったものに移ってしまいました。(MIDI: ホルスト組曲「惑 星」より「火星」)



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