星に願いを・・・
壮大な宇宙にテーマを絞った随筆(エッセイ)集です

 
星に願いを・・・Part18(冥王星)前編 2004/03/16
 のっけからお断りしておきます。「星に願いを・・・」の惑星シリーズでは好評の、ホルストの組曲「惑 星」のMIDIファイルは今回はありません。組曲に「冥王星」が存在しないからです。冥王星は、米アリ ゾナ・ローウェル観測所のトンボーによって、1930年に発見されましたが、ホルストの組曲「惑星」が 発表されたのは1916年だったからです。
 冥王星は、太陽系惑星のなかで、最も太陽から離れている星だと思いきや、私が中学生の頃は太 陽から近い順に、「水・金・地・火・木・土・天・瞑・海」と習いました。何故なら、冥王星の軌道は非常 に風変わりで、楕円軌道だからです。ときどき冥王星は海王星よりも太陽に近くなります(これは 1979年から1999年まで続いていました)。つまり、惑星同士の軌道の交差が頻繁に起こっているわ けで、未来永劫の範囲内では、やがて両惑星が衝突する日も考えられないわけではなくなります。
 ところが、現代の科学の結論では、そのような事態は回避されています。と、言うのも、冥王星は海 王星と3:2の共鳴で結び付いています。すなわち,冥王星の軌道周期は正確に海王星の周期より1. 5倍長いのです。このために,(軌道が交差しても)両者は衝突しないのです。 
 さて、トンボーによる冥王星の発見経緯ですが、これがまた面白いのです。科学なのか、偶然によ るものなのか、判断は皆さんに任せます。後編に続く



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