星に願いを・・・
壮大な宇宙にテーマを絞った随筆(エッセイ)集です
星に願いを・・・Part19(冥王星)後編 2004/03/18
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前編に続いて、冥王星の発見経緯の話です。「星に願いを・・・」のこれまでの惑星シリーズで連載
したとおり、遠い3惑星のうち、天王星と海王星の発見は、偶然(天王星の場合)か、科学の勝利(海
王星の場合)が生み出したものでした。冥王星の場合は、その中間と言うべきなのか、判断に迷って
しまいます。
当時、一番遠い惑星として認識されていた海王星をはじめ、2番目に遠い天王星の軌道の乱れ
も、「未知の第9惑星”X”の存在抜きには考えられない」と、架空の惑星の軌道が計算されました。
そして、予言した場所に冥王星が存在したことがトンボーによって発見されたわけです。ところが、冥
王星の発見後,冥王星は非常に小さいので,計算のもとになった(天王星や海王星など)ほかの惑
星の軌道の乱れの原因にはならないことがすぐに判明しました。引き続き惑星Xの探索が続けられ
ましたが,何も発見されませんでした。現在は存在しないと思われています。軌道の乱れについて
は、ボイジャー2号の海王星への接近によってわかった、最新データーである海王星の質量を使え
ば,乱れはないことがわかっています。
ギリシャ神話で,プルート(ギリシャ語でハーデス)は冥界(死者の世界)の王です。太陽から最も遠
く離れた暗い世界の冥王星は、名前からして不吉な雰囲気を醸しだしています。ところが、発見され
た経緯は、幸運の一言に尽きてしまいます。「偶然」か「科学の勝利」なのか? 普通の考えでは説
明がつかない程、宇宙の神秘は面白くて、不思議です。
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