星に願いを・・・
壮大な宇宙にテーマを絞った随筆(エッセイ)集です

 
星に願いを・・・Part15(金星 その2) 2004/02/22


 再び金星への旅です。鉛をも溶かす灼熱地獄と重圧地獄の金星の姿をPart13で紹介しましたが、 その他にも特徴がいくつかあります。
 ひとつめの特徴は自転の向きが、地球や他の惑星の自転の向きとは逆ということである。金星で は、西から昇ったお日様が東に沈むのである。天才バカボンは金星人だったのだろうか。
 しかも、自転周期(1日)は地球の243倍もある。なんとも遅い回転だ。ここで注意しなければならな い点がある。確かに、金星の自転周期は地球の1日の243倍、つまり243日ということになるが、金星 で日の出から次の日の出までを1日とすれば、117日である。というのは、金星の1年は、地球の1日 の225倍、つまり225日が公転周期で、自転周期より短いからである。
 これは何を意味するのだろうか。天文学では、自転周期に相当する1日は1恒星日という。日の出 から次の日の出までの1日は1太陽日という。金星の場合、1恒星日は2太陽日に相当する。つま り、1年はたったの”2日”ということになるのである。
 「1年がたった2日ではとても忙しそう・・・」と思いきや、1日がとてつもなく長いのだから(8ヶ月 間)、のんびり過ごせそうだ。水星と同じく、長い夜を迎える惑星は、地球より内側の軌道を回る惑星 の特徴といえる。(MIDI: ホルスト組曲「惑星」より「金星」)



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