星に願いを・・・
壮大な宇宙にテーマを絞った随筆(エッセイ)集です
星に願いを・・・Part8(ブラックホールの謎) 2003/11/02
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依然謎だらけ、存在も確認できないブラックホールですが、これは目に見えない高質量の物体
が、他の天体に影響を及ぼす現象を説明する推論に他なりません。アインシュタイン先生の「一般相
対性理論」によれば、光も重力に影響する。つまり、とてつもなく高い重力下では、そこから放たれる
光も全て吸い込まれてしまうので、ブラックホールの存在が予測される地点に望遠鏡を向けても、た
だ暗黒の空間しか見ることができないのです。
星は水素を核融合させて光っていますが、その最期は星の大きさによって違ってきます。太陽の4
倍くらいまでの星は、燃料である水素が不足してくると、圧力が低下し恒星自身の重力が中心核を
圧縮するので、中心核の温度が上がり、星の外層が膨らんで、元の大きさの数十倍、数百倍になり
赤く輝きます。これが赤色巨星です。赤色巨星時代から中心核の温度はあまり上がらないので、核
融合反応の火が消え静かに冷えてゆき収縮し密度のとても高い星となり、やがて中心の星がむき出
しになり、紫外線を放射しますこれが白色矮星です。
太陽の30倍以下の星は更に密度の高い中性子星として最期を迎えます。
では、太陽の30倍以上の質量を持つ巨星の最期は、爆発後外層を放出し自らの重力で収縮しま
す。しかし重力があまりにも強力なため更に収縮し止まることなく無限小まで押しつぶされる。この超
高密度の状態がとりもなおさず、光すら出ることのできない、あらゆる物質を吸い込むブラックホー
ルの出現です。このような星の最期は、内部で核融合反応するための水素、ヘリウムを使い果た
し、中心核に向い重力崩壊を起こした結果です。
白色矮星の質量:1立方pで1トン〜10トン
中性子星の質量:立方pで10億トン
地球上の物質の質量:1立方pで数グラム程度
更に、アインシュタイン先生の「一般相対性理論」によれば、強い重力により時間の進み方が遅くな
り、ブラックホール内では無限に時間が遅く進みます。光や時間も「絶対的」ではなく、「相対的」であ
る。数々の宇宙の発見をもたらしたアインシュタイン。ただ者ではない頭脳の持ち主である。
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